法人を設立する際は、目的を定めます。
目的とは、
- ”建設業”
- ”飲食店の経営”
- ”障害者の日常の生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく地域生活支援事業及び障害者福祉サービス事業”
- ”介護保険法に基づく地域密着型サービス事業”
といったように、その法人の行う事業のことで、登記事項となっています。。
そして、営業許可を取得する上で結構多いのが、「目的に書かれていない」です。
目的に書かれていなくても実際は事業を行っているというケースも結構あります。
しかし、営業許可を取りたいとなると、原則として目的に書かれていなければなりません。
そして、一部の営業許可に関しては厄介なことに文言を一字一句決められている場合もあって、それと違うと営業許可申請できないなんてこともあったりします。
なので、会社設立の際は近い将来やるであろう事業については予め目的に入れておくことをお勧めしておりました。
私たちが会社設立から関わらせていただく場合は、メインとなる事業と関連事業、将来的に行うかもしれない事業(可能性の高いもの)は許可申請に対応できるよう目的を定めますが、ご自身で行う場合は必ず行政機関(営業許可の申請先)にどういった内容を書いておかないといけないのかを確認してから登記してください。
ただ、最近少し問題となったケースがあります。
銀行で口座を開設するにあたって、許可の必要な事業については許可証の提示を求められることがあります。
あるお客様で”産業廃棄物収集運搬業”を目的に入れていたのですが、金融機関から、「産廃の許可証を提出してもらわないと口座開設できません」と言われたようです。
この会社ではメインとなるのが建設業で、将来的にやるかもしれないということで産廃を目的に入れており、当然今のところ許可申請するつもりはなかったのですが、これが原因でまさかの口座開設拒否となってしまいました。
以前はそれほどうるさく言われなかったんですが、近年は厳しくなったんですかね。
目的を作成するときには口座を作る予定の金融機関にもあらかじめお伺いを立てておくほうがいいかもしれません。
豆知識として、目的を定める際は内容によってはなるべく包括的に記載するほうが良かったりします。
冒頭の建設業ですが、建設業は29業種あります。事業目的に”建設業”もしくは”建築工事業及び土木工事業”のような書き方をしてると29業種対応できますが、”空調設備工事業”と書いている場合はそれに関する許可しか取得できません。
もちろん単に建設業と書くよりも詳細に目的を定めたほうがどういった会社なのかわかりやすいといったメリットもあります。
どちらが良いかは人それぞれですが、私は定款に記載する目的については包括的文言をお勧めします。(行政機関によって詳細に書かないといけないこともありますのでその点はご注意ください。)
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